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防犯とプライバシーを両立させる新たな常識

住まいと暮らし
2025.11.14

安全確保のための監視と、快適性を損ねるリスクのバランスを考える

最近の事件や事故のニュースでは、一市民による撮影映像や防犯カメラの映像をよく目にします。決定的瞬間を残せる反面、いつ、どこで、誰によって撮影されているかわからない時代、プライバシーと防犯の表裏一体の側面が見えてきました。今回は、防犯とプライバシーの両立について考えてみましょう。

防犯強化の一方で、プライバシー保護は?

ここ数年、ドライブレコーダーの普及ばかりでなく、街にも家庭にも防犯カメラが一気に増えました。スマートホームやIT化により、スマートフォンで家庭の内外の状態を即時に見ることもでき、安心安全のための需要だけでなく、便利さや手軽さが普及に拍車をかけています。

しかし、防犯カメラは一方で監視カメラとも捉えられ、いつも見られているという居心地の悪さを感じることも意識され始めました。SNS時代で個人情報漏洩や職場でのプライバシー配慮への関心が高まっており、「監視されている感」に敏感になる人も少なくありません。


防犯カメラ、センサーライト


ご自身の判断で戸建てに防犯カメラを取り付けた場合、また単に通り過ぎるだけの街の一画ならいざ知らず、集合住宅などに設置された防犯カメラが管理会社やオーナー、管理人によるものであるなら余計、誰がいつ監視しているのか気になるのも無理はありません。お隣の住人がベランダに設置した防犯カメラに常時監視されているとなれば、プライバシーはどうやって守られているのだろうと考えたくもなります。

防犯のため、自分たちの身を守るためとはわかってはいるものの、「安心感」と「居心地の悪さ」のバランス、防犯とプライバシーをどう両立させるか。とくに集合住宅においては、運営・管理者の腕の見せどころと言ってよいでしょう。

防犯の三原則「音・光・人の目」とプライバシーの課題

防犯の三原則「音・光・人の目」をご存じでしょうか。防犯対策として「音・光・人の目」の3つの要素を兼ね備えた家は、空き巣や犯罪者が警戒するとされており、通常、防犯対策はこの観点から考えられています。それぞれの近年顕在化している課題についてまとめてみます。


防犯の三原則「音・光・人の目」

1.音:侵入者の威嚇だけでない自然な防犯

防犯の三原則の「音」とは、侵入者が音の出るものを嫌うことから派生します。防犯ブザーや防犯砂利、他人に対して吠える犬などがそれにあたります。昨今では、単に大きな音を出す設備は不快に感じることも多く、反対に静かすぎるのもかえって不安を招くケースもあります。

緊急を知らせつつも、音の大きさや鳴り方、たとえば緊急車両のサイレンのようなものではない適切な音の種類、火災報知器などとの誤認されない商品を選ぶとよいでしょう。

2.光:プライバシーを照らしすぎない防犯

防犯の三原則の「光」は、主に夜間の対策と、昼間でも暗がりに対する対策です。防犯カメラが激増する今日では、光を当てることで、その抑止効果をさらに向上させます。ただし、環境を損なわないことを念頭に入れると、防犯用の照明は「犯罪の抑止力」として有効ですが、自動車のハイビームや工事現場で使われる作業灯のような眩しすぎる光源、常時点灯している照明は、居住者や周囲のストレス源になり兼ねません。

そこで、不審者が近づいた時だけ反応する人感センサーや、目にやさしい暖色のLED照明、さらには時間帯制御するといった組み合わせが推奨されます。光だけではありませんが、安全という概念を、安心という気持ちに変える照明のデザインや設計が重要です。

3.人の目:監視される居心地の悪さを軽減へ

防犯の三原則の三つ目は「人の目」です。侵入窃盗犯が最も嫌がると言われるもので、昨今では防犯カメラがその最前線です。かつてはダミーカメラだったところも、機材の向上やスマートホームの波が多くを実現しました。防犯カメラが溢れすぎて、もはや気にしていられない犯罪者たちの状況も、一部のニュース映像などでは感じられます。防犯カメラそのもので犯罪を防ぐというより、証拠として有力な材料になるというメリットに比重が置かれています。

一方で、防犯・安全のためといった設置の目的を明示する必要があったり、録画範囲を限定したり、AI技術の活用などで個人を特定せずに異常を検知する仕組みによって、プライバシーにかかわる部分をマスキングしたり、一般の方の顔などを匿名化する技術を導入する技術開発が進められています。それらの進歩は、どこの家庭でも手軽に導入できるという利点を生んでいます。

オーナーや管理会社に求められる姿勢と意識

オーナーや管理会社に求められる姿勢と意識

防犯機器を設置することで対策完了ではなく、どのように使っているかが問われる時代です。犯罪を防ぐという一義的なところから、安心して過ごせる環境を守るという、防犯はさらに深化しています。テクノロジーを駆使するだけでなく、利用者への配慮ができてこその防犯対策なのです。

具体的には、いかに防犯システムとはいえ、見え過ぎないことを標準とすること、映像を閲覧できるのを管理者だけに限定すること、「防犯カメラ作動中」だけではなく安全とプライバシー両立のための取り組みであることの明示、居住者・従業員・来訪者に理解してもらい安心してもらうことなど、防犯対策についてまわりの人々からの信頼を高める努力を怠らないことも必要になってきています。

守る技術が高いことだけでなく、プライバシーも重視している意識が、居住者をはじめ信頼を得ることにつながります。プライバシーを尊重する姿勢が、管理会社や施設のブランド価値を高めることになるのです。プライバシーに配慮した防犯をはじめ、防犯全般、最近のトレンドなど、ぜひプロである私たちにご相談いただけると幸いです。

※「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。